ども、杉野です。

「思考は現実化する」という有名な言葉があります。

ナポレオン・ヒルだったか誰だったか忘れましたが、そんな人の言葉です。

成功哲学や自己啓発にハマってしまっている人の中には、これを信じて毎日寝る前に1時間ぐらい「私は成功できる、私は成功できる、私は・・・」と唱えている人がいるワケですが、お恥ずかしながら、僕も一時的に唱えていたことがあります。

1日5分を3日間(笑)。当たり前ですが現実化はしませんでした。

さすがに3日じゃ無理だろ、と思うかもしれませんが、実はこれはそういう単純な話ではないんです。

1日何分唱えないといけないとか、毎日唱え続けないといけないとか、そういうのは効果の有無以前に「思考は現実化する」とはまったく関係がありません。

詳しいことは後から話しますが、とにかく、そういう念仏には効果はありませんので、そんなことをやっている暇があるなら、もっと他の努力をして下さい。

その方が絶対に有益ですから。

 

■勝手な解釈

そもそも「思考は現実化する」とは、一般に考えられているような「考えたことは実際に起こる」というアホな意味ではありません。

ましてや「ポジティブ思考は世界を救う」みたいなイタイ意味でもありません。

今挙げたのは僕らの“勝手な解釈”であって、正確な意味とは違います。

例えば「この魚を下さい」というセリフを考えてみましょう。

僕らがこのセリフを読んで普通に想像するのは、主婦が魚屋さんで特定の魚を指して「この魚を下さい」と言っている場面だと思います。

人によっては料亭の料理人が市場に魚を仕入れにきたところを想像するかもしれませんし、もっと他の場面が浮かんだかもしれません。

この時点で2通り以上の解釈が出てきたワケですが、僕はもっと違う場面を想定して今のセリフを書きました。

B’zの稲葉さんがテレビCMで「この魚を下さい」と、消臭力ばりの熱唱でシャウトしている。そういう場面です。

これは敢えて極端な例にしましたが、そこに明確な文脈が設定されていなければ、僕らは“勝手に”自分で文脈を設定して、勝手な解釈をしてしまいます。

こうして僕の意図した稲葉さんは、あなたの勝手な解釈によって消え去っていくのです。

グッドラック、稲葉さん。

 

■「思考は現実化する」の誤解

「思考は現実化する」でも、今の話と同じことが起こっています。

「思考」という言葉から僕らが想像するのは「考えること」です。

同様に、「現実化」という言葉からは「実際に起こること」という意味が浮かんできます。

しかし、それらが作者の意図した意味かどうかは、その言葉が使われた文脈を確認しなければ分かりません。

僕はその文脈を正確には知りませんが、恐らく今言ったような意味になる文脈ではないと思います。

だって「考えたことが実際に起こる」なんて有り得ないですから。

もし出来るなら目の前でやって見せて下さいよ、という話です。

信じたいなら信じてやってもらえばいいですが、「考えたことが実際に起こる」には根本的に理屈が欠けています。

どういう仕組みで、何がどうなって考えたことが実際に起こるのか。それが説明されていません。

とにかく毎日念仏を唱え続けていればいいんだ、という強引な理屈なのかもしれませんが、それではあまりに説得力がないですよね。

理屈を重んじるアメリカ人が、それを無視して本を書くなんてことは考えられませんから、そこには必ず納得のいく理屈があるはずです。

その理屈さえ分かれば、言葉自体は何でもいいワケです。

大事なのは「思考は現実化する」という言葉ではありません。「思考は現実化する」は何を意味しているのか。

それが何よりも重要なのです。

 

■「思考」の意味

そこで今からこの言葉の意味を1つずつ丁寧に考えていきます。

僕の言うことが必ずしも正しいワケではありませんが、少なくとも巷に出回っている成功哲学や自己啓発の本よりは、厳密で、論理的で、何より「本気だ」ということは間違いありません。

変なビジネス書を読むよりかは100倍ぐらい役に立つことを話していきますので、ここからも集中して読んで下さい。

まずは「思考」という言葉から考えます。

先程も言ったように、これは一般的には「考えること」という風に解釈されています。

それは言葉の定義としては間違いではありません。

思考という言葉を辞書で引けば「考えること」という意味は当然載っているはずです。

ただ“厳密に言うと”「考えること」には2つの種類があります。

細かい話は長くなるので割愛しますが、1つは意識的な思考、もう1つは無意識的な思考です。

その中で一般に「思考」と呼ばれるのは前者です。

僕らは何かを考えると同時にその何かを意識しています。

計算をしたり、明日の予定を考えたり、物思いにふけったり、稲葉さんを応援したり(しつこい)、そういうことを意識的に考えているワケですが、この意識が働いているのは一日のうち多くても数時間程度です。

歩いているときや電車に乗っているとき、相手と話しているとき、食事をしているとき、お風呂に入っているとき、寝ているときなどは意識的な思考はほとんど働いていません。

だったら何も考えていないのかというとそうではなく、そこでは無意識的な思考が働いてくれているのです。

いちいち歩くときに「次は右足を出して、その次は左足を・・・」なんて考えませんよね?

いつもの通勤電車に乗るときに「次はあの駅で降りて、乗り継ぎはこの辺が一番便利で・・・」というのも考えないと思います。

さら言えば、食事中に「次はご飯を食べて、その次に味噌汁を一口飲んでからハンバーグを食べよう」なんて考えないはずです。

そこではすべてが無意識的な思考で処理されています。

そしてこの思考は寝ている間も脳をリフレッシュさせたり、その日の情報を処理するために24時間働き続けているのです。

 

■無意識の思考の影響力

さて、ここで問題です。

1日数時間しか働かない思考を変えるのと、24時間働いている思考を変えるのとでは、どちらが人生に大きく影響するでしょう?

・・・答えは明確ですね。

24時間働いてくれる無意識的な思考の方が圧倒的に影響は大きいです。

当然、意識的な思考も人生に影響を与えますが、それは無意識的な思考に比べれば多くても6分の1程度(通常は10分の1以下)の影響力しか持ちません。

だとしたら、人生に、現実に、実際に、影響を与えているのは無意識的な思考だと言い切っても言い過ぎではないと思います。

というか24時間働いてるんだから、当たり前ですよね。ここまで言えば、なぜ念仏が無意味なのかは分かったんじゃないでしょうか。

それは意識的な思考にしか影響を与えないから無意味なのです。

そんなもんは1日1時間やろうが5時間やろうが、無意識的な思考の影響力にはおよびません。

だからもっと他の努力、つまり無意識的な思考を変える努力をして下さい、と言ったのです。

「思考は現実化する」の「思考」については、もはや説明の必要はないと思いますが、それは一般に思われているような“意識して”考えることではなく、24時間“無意識的に”勝手に考え続けられていることを意味しているということなのです。

 

■「現実化」の意味

次は「現実化」の話。

こっちはもう何も言うことがないというか、上記の話が理解できていれば自分で導けることなんですが、これは「実際に起こる」というよりも「既に起こっている」に近い意味になります。

無意識的に思考したこと、例えば歩くことは、それを意識するまでもなく起こっていますよね?

電車の乗り換えも食事も全部、気付いたときには既に起こっていると思います。

それが「現実化」の意味です。

恐らくこれを読んでもしっくりきてないと思いますが、それはあなたに「思考」は「意識的に考えること」だという固定観念があるからです。

僕らが意識しようがしまいが、無意識的な思考の方は勝手に働いています。

だから現実化は僕らの気付かないうちに常に起こっているのです。

わかるかなー、この感覚。これは言葉ではこれ以上説明できません。

いや、実際には出来るんだけども、それは『初級』の領域からは大きく外れていってしまうので、あえて詳しくは説明しないという意味です(新年一発目の『中級』では、それに近いことを話しましたが)。

ですから、「現実化」の方は今すぐ理解できなくても構いません。

「思考」の方さえちゃんと理解して実践していってもらえれば、そのうち“実感として”(感覚として)分かるようになりますから。

今は「ふーん、そうなのかぁ」と気楽に捉えておいて下さいませ。

 

■まとめ

以上をまとめると、「思考は現実化する」とは

無意識的な思考は既に(常に)現実となって起こっている

という意味になります。

これが“実感レベルで”分かるようになれば、もうあなたは余裕で脱凡人です。

そのためにまずはちゃんと頭で、論理で、理屈で、理解して下さい。

その上で自分の人生に当てはめてもらえれば、誰よりも効果的に「思考は現実化する」という格言を活かすことができます。

そうなれば、あとは楽勝です。

是非やって下さいね。

 

ではでは。

ありがとうございました。

 

※この記事はメルマガ『脱凡人のすすめ中級』からの転載です。

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