今テレビで活躍している武井壮というタレントがいます。

僕は基本的にテレビはほぼ見ないので、彼のことは顔以外は
何も知らなかったのですが、少し前にある方から彼の動画
(オトナの学校)が面白いと教えていただき、彼の凄さを
まじまじと実感しました。

彼はその動画で

「見えていないところでは、自分の体さえ自分の思い通りに
動かせないことに気付いた」

ということを言っています。

例えばペットボトルに入った水はいつでも自分の思い通りに
飲めるのに、誰もホームランは思い通りには打てません。

これが「不思議で仕方なかった」と彼は言っているのですが、
まさに彼のこの自問は哲学者の姿そのものです。

ハイデガーは存在というものが不思議で仕方なかったし、
アレントは善良な市民がホロコーストに加担したことが
不思議で仕方なかった。

だから彼らはその答えを追い求めたのです。

彼らと並列するのは誠におこがましいことではありますが、
今の僕は、人生が思い通りにいかないことが不思議で
仕方ありません。

水は思い通りに飲めるのに、靴は思い通りに履けるのに、
道は思い通りに歩けるのに、なぜ人生は思い通りに
いかないのか。

それを一緒に考えていこう、というのが今回の話です。

 

今挙げた問いを僕なりに考えた結果、一応3つの答えに
行き着きました。

1つ目は、「思い通り」のイメージが不明確だからです。

例えば起業に成功することが「思い通り」だったとしても、
いつどこで誰とどのようになることが成功なのか、
という細かい問いにスラスラ答えられる人はまずいません。

精々、毎月安定した収入が得られるとか、クチコミが
広がって集客に苦労しないとか、お客さんに満足して
もらっているとか、出版の依頼がくるとか、それぐらいだと
思います。

毎月安定した収入が得られる方法なんて、世の中には
ごまんとあるワケですが、そのうちのどれがいいのか。

安定収入が得られるなら何でもいいのか。

そもそも安定した収入とはいくらなのか。

それぐらいは明確にしないと手段が選べないし、
手段が選べなければ何から始めていいかも分からない
ワケです。

これでは思い通りにならないのも当然でしょう。

同様にして、犬を飼いたいとか、海外旅行に行きたいとか、
そういう抽象レベルの「思い通り」も思い通りになりません。

それらはプードルを飼いたい、ベトナムに行きたいという
ぐらいにまで具体化されたときにはじめて、そのための
手段が具体化され実際の行動に移せる、つまり思い通りに
なりうるのです。

 

2つ目は、自分を思い通りにコントロールすることが
できないからです。

これは瞑想をやればすぐに分かります。

試しに5分程度でいいので、目を閉じて呼吸(鼻の息)に
意識を向け続けてみてください。

・・・できましたか?

すぐ分かったと思いますが、たった5分間呼吸に意識を
向け続けることすら、われわれにはできないんですよ。

武井氏も、練習しないと自分の腕すら思い通りに
動かせないことに気付いた、と言っています。

手とか足とかって、普通は思い通りに動かせてると
思いますよね?

でも目を閉じると、腕を真横に伸ばすってことすらも
できなくなるのです。

目を閉じなくても、自分が見えていないところでは
明らかにおかしな動きになります。

これはダンスをやっている人なら絶対に分かるはずです。

僕も学生の頃にダンスを習っていたことがあるので
分かりますが、鏡を見ながらじゃないと全然まともに、
カッコよく踊れるようにならないんですよ。

もう1つ加えると、感情もなかなかコントロールできないと
思います。

「私はいつでも冷静でいられる」と胸を張って言える人が、
この世にどれだけいるでしょう?

毎日小さなことで凹んだり、悲しんだり、悩んだりするのが
普通の人間ですよね。

意識も体も感情も思い通りにコントロールできないのに、
それらの総体である人生が思い通りになるはずがありません。

人生が思い通りにならないのは、それだけのことなのです。

 

3つ目は、自分を思い通りにコントロールするための練習を
していないからです。

自分をコントロールできないのは仕方ないとして、
われわれは多くの場合、コントロールできるようになるための
練習もしないし、しようとも思わないということです。

練習をサボってたら、そりゃ本番は上手くいかないですよね。

しかも練習しようという気もないワケですから、そんなもんが
思い通りになるはずがありません。

羽生選手がどんだけ練習して、あれだけ「思い通り」の
パフォーマンスができたのか、って話ですよ。

当たり前ですが、死ぬほど練習してると思いますよ。

これは文章だって、楽器だって、将棋だって、それどころか
あなたが毎日している勉強や仕事だって同じです。

何年もやり続けている(練習している)から、ある程度まで
思い通りに事が運ぶ(失敗しない)ワケで、仕事もやり始めて
間もない頃は誰だって思い通りにはいきません。

こういう物凄く当たり前のことをやらないから、
人生を思い通りにコントロールするための練習を
サボっているから、人生は思い通りにならないのです。

 

まとめておきましょう。

1.「思い通り」のイメージが不明確
2.自分を思い通りにコントロールすることができない
3.自分を思い通りにコントロールするための練習をしてない

という3つの理由によって、われわれの人生は思い通りに
いかなくなっているのではないか、というのが僕の考えです。

4つ目を加えるとすれば、自分の人生を構成しているのは
自分だけではないからだ、ということも言えると思いますが、
その件は取り敢えず置いておきましょう。

結局、最終的に行き着いたのは「自律」でした。

ダイエットが上手くいかないのも、資格試験に合格できないのも、
ビジネスが上手くいかないのも、夫婦関係が上手くいかないのも、
そしてやりたいことが見つからないのも、全部自律、つまり
自分をコントロールできないからであり、自分をコントロール
できないことを自覚していないからなのです。

もしあなたが「なんで思い通りにならないだっ!」と
頭を抱えているならば、ここで話した3項目を確かめてみて
ください。

僕が考えるかぎり、これ以外に原因はないと思います。

4つ目の件も、実は自律できていれば何の問題にもなりません。

その辺の理屈も考えると、新しい世界が見えるかもしれません。

 

今まで何度も言っていることですが、やっぱり大事なのは
日々の練習なんですよ。

どれだけ自分を律して日常をすごせるか。

それがすべてです。

こんなことを偉そうに言っておきながら、僕も全然ダメ
なんですが、仕方ないじゃない、僕だって人間だもの(笑)

まあ頑張っていきましょう(笑)

ありがとうございました。

杉野

 

追伸1:最近気付いたこと。

コンセプトが決まってからもずーっと考えていたんですが、
僕の仕事は多分「凡人の殻を削ぎ落とすこと」であると同時に、
あなた自身に「凡人の殻を削ぎ落とせる」人間に
なってもらうことかもしれないな、と思いました。

脱凡人を前面に押し出していた最近までは「凡人=悪」
みたいな考え方で「絶対に凡人はダメだ!」という
かなり凝り固まった感じだったんですが、今はそれなりに
落ち着きまして(笑)

「凡人=人生を楽しめてないもったいない人」

と解釈しています。

せまい世界に閉じこもり、自分で自分の可能性を
閉じていることにも気付かず、やりたいことをやらずに
なんとなく他人が作ったレールに乗って人生を終える。

それが凡人です。

こう考えると、彼らは別に批判すべき対象などではなく、
単純に、もっと楽しいはずの人生を楽しめていない人、
言ってしまえば「残念な人」でしか無いワケです。

そういう残念な人を一人でも減らすことが僕の仕事であり、
それが本当の意味での「脱凡人」なんじゃないかと。

今はそう思っています。

ある読者から「最近の杉野さんは穏やかになった」という
旨のことを言われましたが、それは多分この辺が関係して
いるのだと思います。

最近は日々、自分の器の小ささに絶望する毎日です。

 

追伸2:武井壮の動画。

『オトナの学校』

 

※この記事はメルマガ『脱凡人のすすめ中級』からの転載です。

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