ピンポーン。

亮太「はーい」

英二「よっ」

亮太「え、英二、なにしに来たの?」

英二「もう忘れたのか?修行だよ、修行」

亮太「いや、修行ったって、昨日の今日じゃねーか」

英二「善は急げって言うだろ」

英二の後ろから見たことのある顔が現れる。

義経「ござるー」

亮太「お前も来たのかよ」

義経「ござる、ござる」

英二「まあまあ、立ち話もアレだし、上がらせてもらうぞ」

亮太「お、おい」

強引に亮太の部屋に上がり込む英二と義経。

 

英二「よーっし、じゃあ何からやるかなぁ」

亮太「まだ朝飯も食ってないんだけど」

英二「あ、俺も」

義経「拙者もでござる」

英二「そんじゃ、飯作りますかぁ!・・・亮太が」

亮太「俺かよ!」

英二「いまどき料理も作れない男はモテないからな」

亮太「これも修行ってこと?」

英二「そゆこと」

30分ほどで亮太があり合わせのチャーハンを仕上げる。

英二「おぉー、美味そうじゃん」

義経「いい匂いでござるー」

亮太「あり合わせだけどな」

英二が一口目を食べる。

英二「うん、なるほど、普通に美味いわ」

義経「何杯でもいけそうでござるよー」

亮太は平然をよそおっているが、まんざらでもなさそうだ。

英二「こんなの作れんのに、なんで合コンのときに料理できるって
言わないんだよ、もったいないなぁ」

亮太「こんなのできるうちに入らないって」

英二「いやいや、作れない俺からしたら大したもんだよ」

亮太「作れないのかよ!」

英二「うん」

亮太「さっき、いまどき料理も作れない男はモテない、って
言ってたのは誰だよ」

英二「言葉のあやだよ、1つぐらい自慢できるなんかがないと
ダメってこと」

亮太「まあいいけどさ」

義経「ふー、食ったでござるー」

 

英二「今の話と関係するんだけどさ、お前って何と比べて
“作れるうちに入らない”って言ったの?」

亮太「いや、特に何も意識はしてないけど」

英二「自分でも何と比べてるのか分からないってこと?」

亮太「まあ、そんな感じ」

英二「それっておかしいと思わないか?」

亮太「なにが?」

英二「だってお前は何が作れるうちに入るか分からないのに、
“作れるうちに入らない”って言ったってことだろ」

英二「それってお前の単なる思い込みじゃん」

亮太「そういうことになるのかなぁ」

英二「そうだって」

英二「お前ってさぁ、もしかして上ばっかり見てるんじゃないか?」

亮太「上って?」

英二「だから、自分はあの人ほどじゃないから大したことないとか、
そうやって自分よりも何かと実力が上の人を基準にして物事を
判断してるんじゃないか、ってことだよ」

亮太「そうなのかなぁ」

英二「そうだよ」

英二「料理のことだって、俺と比べたらお前は凄いはずなのに、
なんで俺じゃなくて自分より料理ができる想像上の人物と自分を
比べるんだよ」

亮太「うーん、言われてみればたしかに」

英二「だろ?」

英二「別にそれが悪いとは思わないけど、そんなんじゃいつまで
経っても自信なんてつかないと思うぞ」

義経「苦しくて動けないでござるぅー」

英二「うっせーよ!」

 

亮太「逆に聞いていいか?」

英二「ウェルカム」

亮太「なんで英二はそんなに自信があるの?」

英二「自信なんかないって」

亮太「いやー、そんな風には見えないけどなー」

英二「それが答えだよ」

亮太「ん???」

英二「自信がなくても自信があるように見せるのが礼儀だってこと」

亮太「イマイチ意味が飲み込めないんだけど」

英二「昨日言っただろ、自分を最高の商品だと思え、って」

英二「それはつまり、自信がなくても自信があるように見せろ、
自信のない商品を勧めてると相手に悟られるのは失礼だ、
ってことだよ」

亮太「それってウソついてるってこと?」

英二「まあそういうことにはなるけど、このウソにはちゃんと
意味がある」

英二「相手に自信があるように見せることによって、否が応でも
自信のある自分にならなきゃいけなくなる、ってところが
このウソの重要な意味なんだよ」

英二「普通の商品とは違って人は成長できるだろ?」

英二「だから現時点ではウソでも、相手の元にその商品が届く頃に
本当になっていれば何も問題ないってワケ」

英二「というよりも、自信を身につけざるを得ない状況に自分を
追い込むことが、ウソの自信の役割なんだよ」

 

亮太「それって恐くないの?」

英二「恐いというよりも、何度も言ってるけど、
それが礼儀なんだってばよ」

亮太「礼儀ねぁ・・・」

英二「そう」

英二「相手に対して真摯かつ紳士であろうと思ったら、
恐い云々じゃなくて、そうするしかないんだよ」

亮太「俺はそこまで相手のこと考えてなかったわ」

英二「だろうな、まあ仕方ないって、それが普通だと思うし」

亮太「うん・・・」

英二「ただそのままじゃダメだから、修行しにきてやったってことを
忘れてねーか?」

亮太「大丈夫、わかってるって」

英二「よし」

英二「そいじゃ、ちょっと休憩したら早速はじめますか」

亮太「うん」

朝ごはんを食べて眠っていた義経が目を覚ます。

義経「ん?もう昼ご飯でござるか?」

英二「お前なにしに来たんだよ」

義経「冗談でござるよ、拙者もちゃんと修行するでござる、
そして萌ちゃんのハートをつかむでござる!」

英二「よっしゃ、ガツンとかましてやれ!」

つづく。

 

【教訓】

ウソも方便とはよく言ったもので、ある種の虚勢を張ることは
ホンモノの自信に繋がります。

自信がなくても自信があるように見せること。

それは相手への気遣いであり、礼儀でもあるのです。

自信がない自分を平気でさらせるのは、その人が相手のことを
考えていないからです。

ビジネスの基本は相手本位。

自分でお金を稼ごうと思うなら、これは守ってくださいね。

ありがとうございました。

 

※この記事はメルマガ『脱凡人のすすめ中級』からの転載です。

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