ども、ペスです。

絵を描かない人はまず知らないと思いますが、画材を作っている有名な会社に
ホルベイン工業株式会社というところがあります。

この会社は創業60年以上を誇る老舗で、日本の若手画家を積極的にサポート
していることで有名な会社です。

例えばホルベインはスカラシップと称して、毎年50万円相当の画材を今後活躍が
期待される有力な若手に無償で提供しています。

そのスカラシップに選ばれた画家は、これまたホルベインが作った冊子で作品を
紹介してもらえ、その冊子はホルベインに関わったことのある人々(画廊オーナーや
学芸員や活躍中の画家など)に無料で配布されます。

そうやって若手を育てることが自社の存続に繋がるということを、この会社は
非常によく分かっているのです。

 

ホルベインのホームページを見ただけでも、ここがいかに素晴らしい理念の下に
活動を行っているかがよく分かります。

僕がまず目についたのは、ここが独自に発行しているレポートです。

顔料や染料について、顔料の素材について、素材の混ぜ方について等、絵具に関する
科学的な知識がここには集結しています。

僕にホルベインのことを教えてくれた方は、その昔、ここのレポートを使って大学の
授業を行ったと言っていました。

しかもその方が言うには、以前ホルベインにそれらの資料を印刷して送ってほしいと
頼んだら、段ボール箱いっぱいの資料がこれまた無料で送られてきたそうです。

そういえば栄養学の最新レポートを無料で提供している某サプリメント会社が海外に
ありますが、それに少し似ているかもしれません。

どちらも、そういった情報を提供することで、自社製品がいかに素晴らしいかを
分かってもらうことが、一番の利益だと判断しているのでしょう。

なんにせよ、ありがたい話です。

 

次に目についたのは技術的な質問に関する「技術情報Q&A」。

僕は絵をまったく描かないのでよく分かりませんが、最近のものでは

「皮革製品にアクリル絵具を使う場合、ひびが入りにくくするには
どうすればいいのですか?」

「日本画制作において、アクリル メディウムで水干絵具や岩絵具を使うのと、
膠を用いるのとで発色がどう違うのですか?」

などの質問に対して、丁寧な解説が載せられていました。

また右側にはタグクラウドが表示されていることで人気のキーワードが
分かったり、特定のキーワードでの検索もできるようになっています。

ホルベインの絵具には、他社製品とは違う、それに適した使い方や扱い方が
あるということでしょう。

 

んでもって、その次に目についたのはYoutubeにアップされていた工場見学。

20分ぐらいある長い動画なんですが、面白くて全部見てしまいました。

この記事の最後に紹介したページのリンクをまとめて貼っておくので、
よかったら見てみて下さいませ。

音声は聞き取り難いですが、ある程度のことは字幕と映像で分かると思いますし、
何よりそのこだわりに驚かされると思います。

 

そして最後が無名の画家に発表の場を与えるサイト『Show Me』と、アートと
アーティストのポータルサイト『artist navi』。

絵具を作っている老舗の会社が、こういったサイトを率先して運営している
というのはやはり感心せざるをえません。

画廊や美術館は、この辺をもっと見習うべきでしょう。

ここまで大掛かりなことは費用的に出来ないにしても、自分のところが扱っている
作品についてのレポートを書くことぐらいは出来ると思います。

ましてや学芸員であれば、それはウェブサイトを作ることより得意分野でも
あるはずです。

作品の横に直接レポートを置くことは許されないとしても、ホームページ内で
そのレポートを配って、作品をより深く楽しんでもらえるようにすることは
そこまで難しいことではないと思います。

僕が美術以外のことを学ぶべきだと言ったのは、こういうことなのです。

同じ業界でここまでがんばっている会社があるのですから、ぜひとも見習って下さい。

 

以上、ホルベインについて絶賛してきたワケですが、僕はホルベインの回し者でも
なければ、ホルベインから絵具を送ってほしいワケでもありません(笑)

ただ、僕は純粋に美術を愛する者として、この会社を紹介しておきたかったのです。

もっと僕に画家的な視点があれば、絵具やジェッソ、絵筆やキャンバス生地の質に
関する話もできたのでしょうが、それはまた誰かが書いている(書いてくれる)ことを
祈りましょう。

それでは、また。

 

【ホルベインリンク集】

ホルベインのメインページ

色彩の解剖学

画家たちの美術史

技術情報Q&A

工場見学の動画

Show Me

artist navi