「大相撲春場所の千秋楽で白鵬にブーイング」

こんなニュースをテレビで見かけました。

優勝を決める結びの一番で白鵬は日馬富士に勝ったのですが、
その立ち合いが横綱らしからぬ相撲だったことに対して
一部のファンからブーイングが飛んできた、とのこと。

会場からは「勝てればなんでもええんか!」という声が
上がっていたようです。

このニュースを見て、僕は身が引き締まる思いでした。

自分は理想の自分らしからぬ記事を書いていないだろうか、
理想の自分らしからぬ判断や行動をしていないだろうか、と。

横綱とは、相撲界における理想像でありリーダーです。

その横綱である白鵬は、相撲の理想を体現するという大きな
役目を背負っており、だからこそ「勝てれば何でもいい」
ワケではなく、誰もが理想とするような勝ち方をしなければ
ならないワケです。

白鵬自身が言っていたように、彼ほどの実績があっても
優勝を逃がす(失敗する)回数が増えると余裕がなくなり、
優勝という報酬に目がくらむようになります。

上手くいっているときは誰しも余裕があるものですが、
上手くいかなくなってくると途端に自分を見失い、
自分らしからぬことをしてまで結果を求めるようになる。

まさにこの間までの自分を見ているようでした(苦笑)

 

『アウトサイダーの幸福論』という本にはこういう言葉が
載っています。

人間、落ち目になったり弱気になったりしたとき、
自分を戒めたり、反省したり、後悔したり、
自分を変えようとするが、これは絶対にやめた方がいい。
こういうときこそ信念を持って自分を貫くのだ。
いつか、きっとまた立ち直れる。
その時、自分を裏切らなかったこと、自分のスタイルを
崩さなかったことは大きな力となり、自信となる

この言葉をそのまま白鵬に捧げたいと思うのは僕だけでは
ないでしょう。

そして当然、われわれ自身にも捧げるべき言葉です。

この言葉が言うように、スタイルを崩さずにいることは
凄く大事なことなのですが、そもそもその守るべき
スタイルを持っている人がどれだけいるのかというのが
疑問でもあります。

凡人とは、自分のスタイルを持たない人間です。

彼らは「社会」のインサイダーであり、社会が作った
スタイルに合わせて生きています。

彼らが落ち目になったり弱気になったりしたときは、
社会のスタイルを変えようとするのではなく、
むしろ一層そのスタイルに自分を合わせようとします。

なぜなら、彼らは自分が落ち目になっている原因を
「自分が社会のスタイルに最適化されていないからだ」と
考えるからです。

就活をしている学生のほとんどはこの状態だと言って
いいでしょう。

彼らが「どうすれば希望の会社に就職できるか」という
誤った問いを考え続けてしまうのは、まさに彼らが
希望の会社に最適化された人間になろうとしていることを
表しています。

この例における正しい問い、つまり自分のスタイルが
確立されている人が考える問いは

「どうすれば希望の会社に今の自分の価値を伝えることが
できるか」

です。

前者は自分を変えることに視点が向いていますが、
後者は自分をどう表現するかというところに視点が
向いています。

要するに、前者は今の自分には価値がないという前提で
物事を考えているのに対して、後者は既にある価値を
最大化するという前提で物事を考えているワケです。

 

スタイルを崩すことは、自己否定を意味します。

白鵬の場合であれば、スタイルを崩すことによって
「私はもう横綱白鵬ではない」ということを(メタ的に)
語ってしまっているということです。

優勝という欲に駆られて、自分のアイデンティティを
捨ててしまったと言ってもいいでしょう。

彼ほどの人間でもそうなってしまうワケですから、
言わんやわれわれにおいてをや、ですよ。

スタイルとは、自分で自分に課すルール、言い換えれば
ある種のハンデです。

白鵬は「横綱らしい相撲をとる」というハンデを背負って、
それを守っているから横綱であれる。

そんな風に考えれば分かりやすいと思います。

幕下や序の口の力士は、どんな相撲でも勝てばいいんです。

でも位が上がるにつれて、その位に相応しい相撲が、
美しい勝ち方が求められるようになっていきます。

逆に言うと、自分のスタイル(自分らしい勝ち方)を
確立していかないかぎり、その人はずっと初心者であり、
幕下であり、普通の人なのです。

 

どれだけ自分に厳しいハンデを課すことができるか。

どれだけ簡単なこと、楽なこと、誰でもできることに
流されずにいられるか。

どれだけ「迷ったらキツイ方を選ぶ」というルールに
従い続けられるか。

それが自分のスタイルを守ること、しいては自分の土俵で
横綱であり続けることに繋がっていきます。

何の実感もない段階でこれを読んでしまうと重く思える
かもしれませんが、実際にその立場になってしまえば
これがいかに楽しいことか、そして誇らしいことかは
すぐに分かるはずです。

まあこればっかりはやらないと何も分からないと思うので、
普段から既にそういう立場になったつもりで思考・行動
してみてください。

そうすれば、気付いたときにはそういう立場になって
ますから。

実感のご報告をお待ちしております(笑)

ありがとうございました。

 

※この記事はメルマガ『脱凡人のすすめ中級』からの転載です。

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