見てきました、ダリ展。

シュールレアリズムと言えばダリ、ダリと言えばシュールレアリズム。

ダリとはまさにそういう存在・・・だと勝手に思い込んでいたんですが、
行ってビックリ、その印象は完全にぶち壊されました。

個人的にはシュールレアリズムの作品よりも、ピカソに影響を受けて
描いたキュビズムもどきの絵画や、非常に抽象度の高いもやもやした
炎のような抽象画などの方が「いい!」と感じました。

いや、正確には、彼の作品はすべてが面白く、すべてが違った意味で
「よい作品」なのです。

 

シュールレアリズムの作品をじかに見て感じたのは、
とにかく魅力的である、ということです。

シュールなモチーフがイラスト的・デザイン的に表現されていて、
「これは家に飾りたいなー」と思わせるような作品になっています。

こういう表現が正しいかは分かりませんが、キャッチーなんですよ。

コピーライティングを絵画に応用するとあんな感じなるのかな、と。

見た瞬間に「素敵!」と思わせる何かがそこにはあります。

彼が超売れっ子だったことは有名ですが、この絵ならたしかに
いくらでも売れるわ、と思いました。

その意味で、売れることを第一に考えるならば、彼のシュールな
作品は「よい作品」だと言えるでしょう。

 

抽象画は抽象画でまた「よい絵画」です。

先程も言いましたが、僕は個人的にはこっちの方が好きです。

というのは、こっちの方が魂が込められている(ように感じる)
からです。

フランシス・ベーコンとは少し違った意味で実存的と言えば
多少は伝わるでしょうか。

何を根拠にそう感じるかを言葉で表現するのは難しいですが、
これは以前どこかで言った「動き」があるということだと
思ってください。

僕が見たかぎり、シュールレアリズムの作品にはまったく動きが
ありません。

パッと見はすごく素敵なんだけど、ずっと見ていたい作品では
なかった。

一方で抽象画の方は、パッと見は地味なんだけれども、
見れば見るほど動きが見え、味が出て、吸い込まれていきます。

この感覚、わかるでしょうか?

「静止画なのに動くワケないだろ!」とか突っ込んでしまう
脳みそだけで生きている人には絶対に分からないことですが、
動く絵はホントに動くんですよ。

それほど多くはなかったですが、ダリの作品の中にも
渦を巻くように動くものや鼓動を打つように動くものが
ありました。

本当はどの作品がそう見えたか作品名をメモっておいて、
それを見て確認してもらうのがいいんでしょうけど、
それはあくまでも僕の見方であり楽しみ方ですから、
そういう検証でせっかくの鑑賞を台無しにしないでほしいので、
そこは伏せておくことにします(作品名を覚えてない
だけだけど・笑)。

 

「上手い!」

これがダリの作品を僕なりに一言で言い表したものです(笑)

上手いことが絵画のすべてだとはまったく思いませんし、
何をもって上手いとするかも人それぞれだと思いますが、
やっぱり上手いに越したことはないよなー、とは思います。

彼のノウハウ本を読めばわかることですが、彼は絵画の技法に
やたらと詳しいですし、いろいろ自分なりの実験をしています。

その本には適切な昼寝の仕方とかも書いてありますからね(笑)
(ちなみに『私の50の秘伝』っていう本です)

一世を風靡し、アートの歴史に堂々と名を刻んだ彼とて、
やはり天才ではなかったのです。

ダリの作品が一度にたくさん見られる機会はそう多くはないと
思いますので、もしお時間に余裕があれば行ってみるといいと
思います。

彼の絵なら、絵画を好きになるキッカケになるかもしれませんしね。

それでは。